ノルウェーの代表的な魚の真鱈(まだら)。写真(上)は乾燥中の真鱈が並んでいる風景。
ノルウェーには真鱈を塩漬けにして、乾燥させるクリップフィスクがある。
古くから伝わる保存食のひとつで、よく食卓に並ぶ魚料理ともなっている。
記事後半ではクリップフィスクを使う料理を紹介します。
クリップフィスク
塩漬け乾燥した真鱈のことをノルウェー語でクリップフィスク(Klippfisk)という。
クリップフィスクは、真鱈を塩漬けにして熟成させ、乾燥させてできる。
乾燥する工程のあと、品質と大きさによって選別される。
クリップフィスクの塩漬けと乾燥
https://cod.fromnorway.com/ja/norwegian-cod/clipfish/
Seafood from Norway ノルウェー水産物審議会webより
バカラオ
一般的にバカラオ(Bacalao)の通称が使われることも多い。バカラオはスペイン語の呼び名。
18世紀ごろからスペイン、ポルトガル、南アメリカへ輸出され、バカラオ料理が広く定着し、バカラオが親しまれる要因となった。
ノルウェーでもバカラオで通じるが、トマトベースの鱈スープの料理名にもなることも。
ノルウェー産の干し鱈が親しまれるようになるまで
https://seafoodfromnorway.jp/seafood-from-norway/clipfish/
Seafood from Norway ノルウェー水産物審議会webより
下ごしらえの水戻しと塩抜き
魚の大きさによって、下ごしらえにかかる時間や料理が異なる。
身に厚みがあったり皮つきのクリップフィスケの場合を調理したときは、塩抜きに約24時間かかった。
こちらは歯ごたえがあり、プリッとした触感が楽しめるのでメインディッシュ向き。
オリーブオイルで焼いたり、蒸すなどの料理が合う。
▲皮・骨なしのこま切れ
先日スーパーで切れ端タイプがお買い得になっていたこちらをゲットした。
小さいこま切れ身の場合は、塩抜き8時間以上。
煮込み、スープ、炒めるなどの料理に使う。
▲塩抜きと水戻し中
2、3回水を変えながら、約8時間は水につける。
水に戻したクリップフィスクを使う料理、リゾット、オムレツ、かき揚げを紹介します。
リゾット
材料は
- にんにく
- 玉ねぎ
- ニンジン
- 水戻しクリップフィスケ
- ほうれん草
- お米
- バター、コンソメ(お好みで)
作り方
- にんにくを炒めて香りを出す
- 野菜、鱈を入れ炒める
- 米を入れ軽く炒める
- 水を入れ炊く
- バター少々を好みで入れる
味付けが薄い場合はコンソメや粉末だしを入れてみて調整してください。
▼冷凍のほうれん草を使用、水が無くなるまで中火で炊く
簡単オムレツ
材料は
- 玉ねぎ
- パプリカ/ピーマン
- 水戻しクリップフィスケ
- 卵
作り方
- 野菜を炒める
- 鱈を入れ炒める
- といた卵を入れる
- ひっくり返して焼く
かき揚げ風(2020年5月8日追記)
残っていたクリップフィスクを使い、かき揚げ風にしました。
個人的にはこれが一番美味しい。
材料は
- 玉ねぎ、にんじん
- 水戻しクリップフィスケ
- 卵
- 小麦粉
- 牛乳または水
作り方
- 野菜をみじん切り
- 鱈を入れ炒める
- 卵、小麦粉、牛乳を入れて、ざっくり混ぜる
- 多めの油をしいて、焼く
実際には、かき揚げというより分厚い。
チジミ風?でも美味しかった!
おわりに
ノルウェーの伝統的な保存食であり、通年食べられるポピュラーな魚、クリップフィスク。
最近は鮮魚が手に入らないときに活用している。
案外どんな料理にでも合いそう。
▲ノルウェー北部やロフォーテン諸島で見られる風景
日本にもありますね。干しだら、または、鱈すきみ。
すきみ鱈のおすまし、お茶漬け、かき揚げ、どれも美味しそう‼
次回チャレンジしてみたいと思います。