この記事では、
「ノルウェーでマガキって食べれるの?」
と考える方に、ノルウェー在住の私が調べたことをお伝えします。
先日、カキや貝類を食べたことをツイートをしました。
しかし、カキや貝類は毒性があるので、食べる場合は注意が必要です‼
私のツイートを見た方がカキを食べれると思って、毒性について知らずに食べてしまうと危ないので、ノルウェーの食品安全局(the Norwegian Food Safety Authority) の情報を確認しました。
結論から言いますと、マガキを個人で採って食べることは推奨されていません。
ノルウェー食品安全局「マガキについて(ノルウェー語)」
「もう食べてしまった(汗)」となると遅いので(私のこと)、情報を共有したいと思います。
調べてみると、生食ではなく、加熱したら食べれるという見方もありますが、ノルウェーではマガキはモニタリングされてないため、個人の判断で食べないほうがいいというのが大筋です。
この記事では、ノルウェーのマガキについて調べたことをまとめています。
ノルウェーで繁殖したマガキ
私は、2012年から2018年までノルウェー南部の街Arendalに住んでいました。オスロから南に260キロにある街です。
夫の転職でノルウェーへ(そのときの記事はこちら)。
ある日、マガキ(Pacifc oyster)がノルウェー南部で繁殖しているという情報を聞きました。
マガキは外来種でノルウェーにはもともとなかった種類ですが、数年前から、ノルウェー南部では外来種のマガキが見られるようになりました。
ノルウェーにはもともとヨーロッパヒラガキ(European flat oyster)という種類のカキがいます。
▼日本でよく見るマガキとは違い、丸く平べったい形が特徴です
2006年ごろからノルウェー南部、スウェーデン南西部で見つかっています。
マガキはノルウェー南部エリア全般から西側はベルゲン辺り(2007年)にも生息しているようです。
▼ヨーロッパ北部で急激に拡大したカキについては、こちらの論文を参考にどうぞ
論文を見ると、ノルウェー南部からスウェーデン南西部で発見されています。
▼デンマークでも大量に繁殖、ニュースになりました
カキが繁殖しすぎてニュースに
2018年の夏、ノルウェー南部で繁殖しすぎたカキを除去しようとニュースになりました。
以前、私が住んでいた家の近くの島TromøyにHove(クリックするとグーグルマップが開きます)という公園があります。
海岸は遠浅になっていて、夏は子供たちがよく泳ぐ場所です。
マガキが大量発生したので、砂場で遊ぶのに危ないため除去しようという流れになりました。
マガキは安全に食べれる?
ノルウェー食品安全局は、マガキを個人で拾って食べないように呼び掛けています。
細菌やバクテリアがいるかもしれないので、個人で判断できないからです。
バクテリアの生存は水温20度以上で、ノルウェーの海水温度では通常20度以下のため出現していないと書かれています。
しかしながら、2018年にはオスロなど一部の地域で海水温度の上昇があり、ビブリオ菌が発生しています。
▼生はダメ、食べるときは加熱が必要
▼こちらでも、特に冬場は食べるときは加熱するようにと警告
▼オスロフィヨルドでバクテリアが発生、マガキを食べないように
貝類は毒性がある
注意しないといけないのは毒性です。
ノルウェー食品安全局matportalen.noのHPには、貝類のモニタリング情報があるので、必ず確認してください。
主にムール貝、一部ヨーロッパヒラガキの情報があります。
マガキのモニタリングはなく、ムール貝の藻類毒素のモニタリングになります。
ムール貝とマガキの毒性について完全に同じではありません!
大事なことなので繰り返しますが、もし食べるなら自己責任でお願いします。
貝掘りの情報
潮が満ちていると分かりにくいですが、潮が引くとき(夕方ごろ)浅瀬になっているところ、遠浅になっているところがあれば、チェックしてみてください。
掘らなくても、潮が引くと殻があるのが分かります。
散歩のついでに探してみてください。
☑どんな貝類があるか
砂場:カキ、貝類、ムール貝
岩場:ムール貝
ノルウェー南部では夏場は泳げるので、海に行ってシュノーケルをして探すのもありです。
ムール貝は洗ったり石を採ったりしないといけないので、手間がかかる点では、買うほうが早いです。
潮が引く時間帯は、だいたい朝か夕方以降ですが、こちらのサイトから、場所を入力すると具体的な時間や水位を確認できます。
matportalen.no
Kartverket.no
まとめ:マガキを採って食べるのはおすすめされていない
ノルウェーでは貝類のモニタリングは行われています。
しかし、マガキの研究は十分進んでなく、毒性のモニタリングが行われていないので、安全性の面から、食品安全局は個人でマガキを採って食べることを推奨していません。
冬はノロウイルス、夏はバクテリアの可能性があるためです。
今後は研究がすすみ、マガキが食材として市場価値を持つことが期待されています。
以上、ノルウェーのマガキについて調べたことをお伝えしました。